大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(う)1389号 判決

被告人 肥後政継

〔抄 録〕

論旨は、原判決には審理不尽に基く訴訟手続の法令違反がある、というのである。しかし、記録を仔細に検討すれば被告人が本件事故発生直後もよりの巡査派出所の警察官に対し道路交通法第七十二条第一項所定の事故報告をしたことはこれを窺い得るところであるが、右にいわゆる事故報告は刑法第四十二条にいわゆる自首にあたらないことはいうまでもないところであり、他に記録上本件につき自首の行なわれた形跡は存しないのみならず、自首の有無は所論のごとき職権調査事項には該当しないから、原判決がこの点につき「いますぐ法律上の自首にあたるものと断言することはできない」としたのは相当であつて、原判決には何ら所論のごとき違法は存しない。なお、原判決はその量刑にあたり、「本件の場合仮りに法律上の自首にあたらないとしても情状の上においては自首と同一に考慮し得るものである」としていることに徴すれば被告人としてはこの点につき何らその利害に差を来すおそれはなかつたものといわなければならない。ひつきよう、論旨は理由がない。

(藤島 山本 荒川)

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